教科書の名誉のため

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補足 京都書房の『国語表現Ⅱ』の名誉のために

 ここまでこの添削につきあっていただいて、あなたは「京都書房の『国語表現Ⅱ』(国語Ⅱ007 平成15年文部科学省検定済み)の教科書はなんてひどいんだ」と思っているかもしれません。
 しかし、この教科書の名誉のために言っておきますが、この教科書はおそらく当時の国語表現の教科書の中では一番ましな部類だったと思います。国語表現の教科書は、色々書いていても、それを実際に使って、生徒に作文を書くための有効な練習をさせることはほとんど不可能ですから。
 そんな中、この京都書房の教科書は使える教科書を作ろうという意気込みでまじめに作られています。本当にこれを使えばうまくいくかということは別にして、少なくともその意気込みを感じさせる貴重な一冊です。
 ねこ(私)は、教科書が一冊もできていないのに国語表現という教科が見切り発車の形で始まるそのまだ前から、長いこと作文を教えていますが、教科書を使って授業をしたことはおそらくほとんどありません(キッパリ!)(……こんなことを暴露して、本当に首にならないんだろうかね。)
 そのねこに、3ページも、何時間もかけて本気で授業をする教材を提供してくれたのですから、「この教科書は偉い!」
 馬鹿にしたような、めちゃめちゃ変なほめ方ですが、悲しいかな、これが日本の作文教科書の実態なんです。
 一日も早く、「その文章で言おうとすることに向かって、それを構成する部品たちをすべてきちんと役割を持って働かせる」ことをおろそかにしない体系化された作文の教科書(参考書)が出現することを願います。
 私のものですか。私のものは、「体系化された方法論」というところまでにはなっていないので、「ねこ先生なら指導できるんでしょうが」とすぐに言われてしまいます。「何を言いたいかにきちんと向かう文章」ということを考えて、私の本も参考に生徒の文章に本気で向き合いさえすれば、私が説明しようとしていることは、そんなに難しいことではないと思うんですがねえ。
 「もうちょっと、分かろうと努力してくれないのかな。」とは常々感じるところです。
 しかし、私の方も体系化の努力はさぼっています。他力本願でいい参考書が出てくればいいのですが。

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