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『小論文講義』の読み方
『ねこの小論文・作文講義』の読み方
『ねこの小論文・作文講義』は一応最初から順を追って説明が進むように構成されていますが、一項一項独立しているので、どこから読んでもよいようになっています。
文章を書くのが苦手で、何とかとりあえず早く作文・小論文を書くための手がかりが欲しいという人は、次のような順番で読んでみてください。
作文・小論文共通
第一章を本気で読みます。話し言葉の文体を捨てて、書き言葉を使う決意をします。もう一つは、自分が考えているほど他人は自分の書いたことを分かってくれるわけではないということをいつも頭に置いて、説明で手を抜かないように気を付けます。
<注意すべき言葉遣いなど><最低限の記号の使い方、表記の注意>は、本書ではすらっと簡単に述べていますが、これは基礎中の基礎で、一つでもこれをはずすとまともな文章にはなりません。ある程度練習をした人でも、ここで説明したことができていないことが多いので、練習が進んだ段階でも、ここをいつも振り返って、自分の文章を確認します。
第二章は、「作文」「小論文」試験についてそれがどういうものかを説明しています。ここはあまり本気で読み込む必要はないので、そんなものかと読み流します。ただし、作文の人は、<作文に対応するために>というところは非常に大切なことを述べているので、しっかり読みます。
第四章の<文章構成の仕方>は、この本で述べている文章作成の要点の中でも一番重要なところです。おおよそ文章を書くことを志す以上、すべての人が心がけておかなければならないことなので、ここは何度も振り返って、書かれていることをしっかり自分のものにしてしまいます。
<文章を整理するポイント><表現の工夫のポイント>は、あっさり説明しているだけですが、かなり大切なことを簡単にまとめてあるので、折に触れて確認します。
文章が支離滅裂で、脈絡のつながった文章にならない人は、第五章<組み立てを考える><未整理の思考>を参考にして、文章を組み立てる練習をします。
第五章のそれ以外の部分も、文章を書く上で気を付けておいた方がよいことを書いてあるので、読んでみます。
短文の添削例については、第十章も適宜(てきぎ)参考にします。
作文
第二章<作文に対応するために>に書いてあることがどういうことなのかを確認するために、第三章で作文の実例を本気で読んで、「読者を動かすだけの具体的な内容」とはどういうものなのかを実感してください。その上で、どのような添削がなされているかを一々点検して、自分が書く文章の修正すべき点について気づくようにします。
第四章<作文における主張と、それに至るまでの部品>は、作文を構成する上で非常に大切な考え方を提供しています。これを把握していないといつまでたっても小学生の書く作文のような幼稚な文章しか書けません。肝(きも)に銘(めい)じるまで、何度でも読みます。
同じことを<読書感想文を書こう>にも書いてあるので、ここも参考にします。
第六章<道徳的な正しいこと>、第七章、第八章に書いてある視点を取り入れて作文を書くと、レベルの一段高い文章を書くことができるようになります。基本的なことをある程度理解したら、これらも読んでください。
小論文
とりあえず第三章<主張に向かう部品としての各段落>を丹念(たんねん)に読み、小論文の構成の仕方についてしっかりつかんでください。これが文章構成の基本になります。
後は、本書の構成通り必要なことが並んでいるので、とりあえず通読してください。第六章以降は、どこが先ということはあまりありませんので、タイトルを見て気に入ったところから読んでもらってもかまいません。
ポイント一覧
付録に「ポイント一覧」をつけているので、折に触れて参考にしてください。本書を本気で読んでくれた人なら、ここに書かれていることを見ただけで何に気をつけなければならないかがある程度頭に浮かんでくるはずです。