付録

付録(知るということ)

 生徒が、漢字学習について面白い感想を書いてくれたので、それを紹介しておきたいと思います。

最近、芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』という本を読んでカビの漢字を『黴』と書くことを初めて知ったんです。そしたら、芋づるのように『推し、燃ゆ』の後に読んだ本からどんどん黴っていう字が出てきたんですよ。黴に呪われとるのかと思って怖かったです。ちなみに『推し、燃ゆ』の時は黴の字を適当に前後のニュアンスでカビって読んでましたけど、その後に読んだ絶対城先輩シリーズでルビ振ってあるの見て初めてカビと読めました。

ものが見えてくるようになること

 漢字だけでなく、花の名前でも、その他のものでも、ものを知るというのはこのようなものです。
 一つのことにこだわって考えていると、それに関係する事柄で、これまで気づかなかったこと、気にもとめなかったようなことが、突然ぱっと見えてくるようになって、視界が広がるものなのです。

引き寄せ効果もあるかも

 そして、ここまで言うと、どこまでが真実なのかは定かではありませんが、このことは知識だけの問題なのではなく、「持っている意識そのものが、起こる出来事を引き寄せている」ということも起こっているのかもしれません。
 最近、小論文指導のページを1ページ追加して、文章について改めて考えていたので、この機会にこんな素晴らしい感想に出会うことができたのかもしれません。

知識を意識的に広げる

 ちなみに、漢字の読みを知るのも、この感想のように「前後の文脈から」というのが一般の人・場合のパターンですが、もっと積極的に漢字や言葉の意味を知ろうと思ったら、漢和辞典や国語辞書を使って、わからない言葉をせめてこだわる本だけでも調べておいたら、急激に知識の幅が広がります。
 文章を読むコツも同じ。一つの文章だけでも、こだわりにこだわって読んでみることが、結局文章読解力を高めることにもなるのです。

中島敦『文字禍』

 「『黴』に呪われとるのか」の関連で言えば、中島敦に『文字禍』という小説があります。読んでみてはいかがでしょうか。
 ちなみに、「埃及」は「エジプト」らしいです。これだけルビが振ってあるのに、なんでルビがないのでしょうか。これはいくらなんでもちょっと知らないと読めませんね。

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