商業科の教員でない人間が好き勝手言うぞ
ここでは商業科の教員でないものが、商業科目で何を教えているのかをほとんど知らないまま好き勝手を言うつもりでいるので、もしおかしいところがあれば批判は甘んじて受けることにする。
起業家教育というけれど
商業高校に身を置いていると、「商業高校が生き残るためには起業家教育をやらなければならない。」というような声がちらほら聞こえてくる。
大学進学が一般的になるにつれ、うちの商業高校でも専門学校への進学を含めれば進学する生徒が70パーセントくらいにまでなっている。このような状況の中では、大学進学だけを第一の目的として考えるのならば、普通科への進学が一番であり、実業高校への進学は、「進学系の普通科へ進めないから仕方なくするのだ」ということになってしまうかもしれない。
そうなると、必要なのは普通科なのだから、勢い「仕方なしに進学するような実業高校などつぶしてしまえ」というような発想になる。そして実際に、実業高校は減らされる傾向が顕著になっている。
つぶされる方はそうなっては大変だから、生き残りをかけて、商業高校なら商業高校の独自色を出そうとする。そうしてかつて大学で「情報」と名が付けば生徒を確保できるために、学科コースの名称を「〜情報」とどこでも変えたように、どこの商業高校でも、「うちの学校では起業家教育をやってます」てなもんで、どこぞの社長を連れてきて少し話をさせたり、ほとんど教員におんぶにだっこなのに、「商売を実際にやらせています」といってアピールしてみたりする。本当はそれが「商売のまねごと」にもならないようなものなのにだ。
だがそんなことで本当に商業高校は生き残れるのだろうか。私はむしろ発想を変えたところに商業高校にしかできないとても魅力的な教育があると思うのだが。