主張への部品-各段落2

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主張に向かう部品としての各段落2

 前項の考察をふまえて、次のように推敲した。この文章でどうだろうか。

例三
 高校に制服は必要だろうか。
 確かに、制服があれば学校全体の統一感が生まれる。しかし、制服を決めるべきではないと私は思う。
 高校生といえば、もう、一つの人格を持った大人である。この様々な人格を持った人間が集まっている高校で制服を決め統一するということは、人格の違いを認めず、一つの制服のもとに個性を押しつぶしていることにほかならない。このように、個性を押しつぶして手に入れられる統一感など、むしろ高校にはない方がよい。
 だから、私は高校では制服を決めるべきではないと思う。

 

例四
 高校に制服は必要だろうか。
 確かに、制服を強制されると個性を発揮できない。しかし、私は制服は高校に必要だと思う。
 果たして高校生が服装によって個性を発揮することが必要だろうか。むしろ個性とは、学校での勉強や部活動の取り組みの中で発揮するものではないだろうか。
 制服を決めることによって、学校に統一感が出る。毎日何を着ていくか悩まなくてすむ。高校生に必要なことは、愛校心を持って、勉強や部活動に取り組む中で個性を育てていくことだ。
 だから、私は高校に制服は必要であると思う。

 例三・四にもまだ気になるところがある。それは二段落目だ。一つの段落には一つのことを書くべきだ(p20参照)。だがこの二つの文章の二段落目は、果たして一つのこととしてどのようなことを書いているといえるだろうか。
 これらの例では、二段落目は予想される反論を書いておいて賛成しないことをほのめかす。三段落目に自分の意見を書くというふうに段落設定を形式的にとらえるからこういう段落になる。だが、予想される反論をしっかり書いて、賛成できないことをほのめかすだけでは、それでまとまった一つのこととはとても言えない。
 だからこれらの例では、「予想される反論」だけで一つの段落にするか、あるいは、「反論は予想されるが、それについては私はこういう理由で反対だ」で一段落にするかしなければならないのだ。そのうちのどちらにするかは、そこで書く内容が、一段落にするほどのまとまりを持っているかどうかによる。

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