小論文に対応するために

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小論文に対応するために

 小論文では、与えられたテーマについて自分の意見を論理的に筋道を立てて表現することが求められている。ところがここで与えられるテーマは、なまじっかなことでたやすく答えられるようなものではない。文化とか、社会、経済とかについて真っ正面から議論をすることが要求されている。だから、君たちが日常生活に埋没して何も考えずに生活しているとしたら、こういう問いを前に手をこまねいているしかないことになる。
 小論文に対応するための第一ステップは、様々なこと(文化・社会・経済・その他)に対する問題意識を折にふれて育てていくことにある。そしてちょっと考えてみれば、これまで我々がやってきたことの中にも、そのために役立つものがたくさんあるはずだ。

  • 授業 特に、現代文・問題演習・社会・保健・生活一般
     教師の説明を鵜呑みにしているようでは意味がない。先生の説明を参考にして、自ら考え、思考を整理しておく。
     問題演習の場合は、問題が解けただけで喜んでいてはいけない。問題文に書かれた筆者の思想を基に、問題文が思考対象としている問題について自分の考えを深めておく。
     小論文の問題に対応するということは、社会のあらゆる分野についての意見を育てていくということである。そして実は、社会の様々な問題について整理して提供したものが、今君たちの習っている様々な教科なのである。授業を受ける中で、積極的に自分の問題意識を深め、広げる努力をしよう。
  • 小論文課題
      試験までに小論文を書く練習を自主的にして、様々なことに対する自分の意見を作っておく。本気で書いたものなら、先生方に添削をお願いしても快く引き受けてくださるはずである。
  • 現代社会・生活一般の資料集
     もしこれらの資料集を持っているなら、一日五分ずつでもよいから毎日手にとって読むべきである。これらは、現代社会の様々な問題について、その問題点・一般的な考え方などを手短に解説している。こんないいものを活用しない手はない。(ただし家庭科の資料集については、p52参照。)
  • 新聞の利用(作文の項4 p9p55参照)

 いずれにしても、自分が今現に触れている生活の場で、なるべく突き詰めて考える習慣を身に付けるようにしていくべきである。

 小論文に対応するために、改めて新しいことを始めるのではなく、今までやってきたこと、どうせやらなければならないことをうまく活用する。

 そして、できるだけ本(評論文)を読んでほしい。少なくとも自分がこれから進もうとしている分野については、背伸びをしてでも一冊は読んでおいてもらいたい。それが役に立っていることに進学後気がつくはずだ(p77参照)。

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