作文・小論文の評価

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作文・小論文の評価

 あることについて賛成の立場で論じているものであれ、反対の立場で論じているものであれ、それを比べてみれば、「問題のとらえ方の正確さ、深さの違い」は君たちでも分かるだろう。作文・小論文の評価を任されている人たちにとって、君たちの文章を5段階くらいに評価することなど朝飯前だ。それをたとえば、90点、80点、……50点とする。それに、表現が特に優れている場合は少し加点し、文のねじれや誤字などを減点すれば採点ができあがる。
 評価の方法としてよく見られるのは、「主題」「構成」「叙述」(「表現」「表記」)などの細かい採点項目を定めて、そのそれぞれの合計点が得点になるというような体裁をとるやり方である。だが実際には、「内容は奥深いのに、構成がなってない」などということはあり得ない。だからそのような場合でも、内容でおおよその点を決めてから、「表現」「表記」などで微調整をするやり方と本質的には変わらない。項目を細分化して合計点を出す方が客観的に見えるためにそういう方法を採用しているだけのことで、実際には、全体の点から逆算してどこの項目を調整してその得点にするかというような点の付け方になるのだから、あまりそのような採点の仕方に神経質になる必要はない。
 ただし小論文の場合、前項で説明したように、要求された問いに対する答えになっていないような場合、たとえば例文を読んで答える問題で例文の読解ができていないような場合は0点になるので、その点は十分に注意する。
 私なら、文章を最初から最後まで破綻なく仕上げていてある程度問題意識があれば、それだけで80点はあげる(合格点を70点として)。確かにそれは難しいことには違いないが、君たちに要求されているレベルは、それほどに無理なものではないはずである。君たちは「思考を深めること」「自分の内面を見つめること」に専念して、この試練をクリアしてもらいたい。

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